2004年12月28日 (火)

【石垣りん】おやすみなさい

昨日の新聞、スマトラ沖地震の記事が大半を占めていた紙面の片隅に、詩人の石垣りんさんの訃報を見つけました。

自立した自由な人間の目で社会や女性の生き方をとらえ直した詩人の石垣りん(いしがき・りん)さんが、26日午前5時35分、東京都杉並区内の病院で死去した。84歳だった。(中略)6月に脳こうそくで倒れ、入退院を繰り返していた。

 日常の言葉を用いて、戦後の社会や家族制度、労働について詩にした。鋭い批評性とあたたかな人間味が共存する作風は、幅広い読者を得、多くの作品が教科書に採用されている。短編小説やエッセーも手がけた。(全部読む)
 YOMIURI ON-LINE 04/12/27

石垣りんさんの作品を初めて読んだのは、中学の国語の教科書に載っていた「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」でした。
その詩はわかりやすい言葉で書かれていて、何故かとても惹かれたのでした。

有名なのは第1詩集の題名にもなった「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」や、「表札」ですが、あさぎが一番好きなのは「おやすみなさい」という詩です。

おやすみなさい       石垣りん

おやすみなさい。

夜が満ちて来ました
潮のように。
ひとりひとりは空に浮かんだ
地球の上の小さな島です。

朝も 昼も 夜も
毎日
何と遠くから私たちを訪れ
また遠ざかって行くのでしょう

いままで姿をあらわしていたものが
すっぽり海にかくれてしまうこともあるように。
人は布団に入り
眠ります。

濡れて、沈んで、我を忘れて。

私たち 生まれたその日から
眠ることをけいこして来ました。
それでも上手には眠れないことがあります。

今夜はいかがですか?

布団から やっと顔だけ出して
それさえ 頭からかぶったりして
人は 眠ります。
良い夢を見ましょう。

財産も地位も衣装も 持ち込めない
深い闇の中で
みんなどんなに優しく、熱く、激しく
生きて来たことでしょう。

裸の島に 深い夜が訪れています。
目をつむりましょう。
明日がくるまで。

おやすみなさい。

この作品は20数年ほど前に東海テレビのクロージングVTR用にと依頼されて書いた詩です。朗読されることを前提にしているので『音で聞いてわかりにくい言葉は初めから使わない』ように書いたそうです(エッセイ集「夜の太鼓」より)。
80年代に中京圏に住んでいた方ならば、クロード・チアリのギターの曲と共に朗読されたこの詩に聞き覚えがあるのではないでしょうか?

実は、つい最近エッセイ集を3冊買ったばかりだったのですが、忙しくてきちんと読んでいませんでした。
追悼の意味も込めて、このお休みの間に読もうと思っています。

ご冥福をお祈りいたします。

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2004年11月27日 (土)

山下書店 新宿マイシティ店が閉店

10月に書いたこの記事に、zig zag roadさんから
トラックバックを頂きました。
なんと、11月23日をもってマイシティ6階の山下書店が閉店したのだそうです。

・・・あそこは結構空いていて穴場的な書店だったのに。
って、そんな風に思ってること自体、閉店の理由ですか(^_^;?

zig zag roadさんは記事の中で、『10月30日にオープンしたジュンク堂書店新宿店の影響を受けているのか?』と書かれていました。

確かにそれも理由の一端かもしれませんが、マイシティも三越同様お店の路線変更中で、山下書店の閉店もその一環?なのではないかと思います。
2年前には7&8階の食堂街がSHUN/KANにリニューアルしましたし、今年は地下の食料品売り場が無くなりました。
この記事を書くのにマイシティのサイトやマイシティについての記事を書いてる方を検索してみましたら10月1日に地下もリニューアルオープンしてたのですね、全然知らなかった(PurpleMoon blogさんのこの記事参照)。

南口に高島屋やフラッグスができたり(ルミネも頑張ってる感じだし)、西口のデパートもどんどんリニューアルしてるし、人の流れがマイシティのある東口からなくなってるのかも知れません。

かくゆうあさぎも、7&8階の食堂街のリニューアル以降マイシティに行ってなかったりします。
あそこの食堂街、改装前は昼時でもほとんど並ばずに入れる穴場だったのです。
新宿で天ぷらが食べたいときは、三越裏のつな八総本店によく行っていたのですが、お昼時お店の外まで行列が出来てるときには、それを横目で見つつ東口まで歩いてリニューアル前のマイシティ店に行けばすんなり入れたんですよねー。

こんな記事書いていたら、つな八のアイスクリームの天ぷらが食べたくなっちゃいました(^_^)
そのうち、リニューアル後のつな八(凛店)にも行って見よっと(ずいぶんおしゃれな感じのお店になっちゃいました)。

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2004年11月11日 (木)

迷子のイルカ

岸壁に近づくイルカ2頭=串本町和深の安指漁港で 串本町の海岸にバンドウイルカ2頭が訪れ、集まった見物人に芸を披露するなど愛敬を振りまいている。町によると高知県室戸市の飼育施設から逃げ出したイルカという。(全部読む)
asahi.com/MY TOWN 和歌山 04/11/11

高知県室戸市の大学施設から逃げ出し、和歌山県串本町内の漁港に迷い込んでいたイルカ2頭が11日、保護された。2頭はトラックの大型水槽に入れられ、おとなしく室戸に向かった。
全部読む)Sankei Web 04/11/11

思いがけずイルカと遊べた串本町の子供たちはいいなあ(^_^)

テレビのニュースでは串本町の漁港の方や和歌山県の観光課の方がインタビューを受けていたのですが、イルカを室戸に帰さなきゃいけないのがとっても残念そうでした。
アザラシのたまちゃんみたいに全国的に有名になれば見物人がたくさん来るのにと思ったのかもしれません(そういえば、たまちゃんってその後どうなったんだっけ?)。

あさぎもむかし、鴨川シーワールドのイルカやベルーガ(シロイルカ)に触れるツアーに参加したことがあるけど、イルカはとっても可愛いんです。さわると思ったよりつるつるして、柔らかくて。人に水をかけたりちょっぴりイタズラ好きで愛嬌があるのです。

この夏、横浜・八景島シーパラダイスに新しくイルカ館(ドルフィンファンタジー)が出来たそうなので、そのうち行ってみよっと。

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2004年11月10日 (水)

430億円

会計検査院の森下伸昭院長は9日、03年度の決算検査報告を小泉純一郎首相に提出した。税金の無駄遣いや不適切な予算執行などの指摘は285件で総額約430億円。02年度の400億円を上回り、過去20年間で最多となった。(全部読む)
Mainichi INTERACTIVE 04/11/09

無駄遣いが430億・・・(;´Д`)

そのお金があったら新潟や台風の被災者のために使えるのに・・・。

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2004年11月 8日 (月)

NHK、24時間特番で不祥事を考えるシンポジウムを妨害?

一昨日の記事でも取り上げた、この週末に放送されたNHK24時間キャンペーン、事前にあまり告知もなくずいぶん唐突だったなーと思っていたのですが、こんな訳だったらしいです。

 NHKの労働組合「日本放送労働組合」(日放労、長村中(おさむらみつる)委員長、組合員8500人)は7日、一連の不祥事で失った信頼を回復するためにNHKはどうあるべきかを問うシンポジウムを東京都内で開いた。
 会場には約270人が詰めかけたが、一般組合員の参加は約50人だけで、組合員の多くは6日夜からのNHKの24時間特別生放送番組のために出席できなかった。(中略)
 シンポジウム開催日が決まったのは1カ月前で、24時間特別番組が決まったのは1週間前だった。このことが取り上げられ、田原さんらは「組合つぶしとしか思えない」と批判した。(中略)
 海老沢会長は4日の定例会見で「(10月)30日に新潟の被災状況を視察し、翌31日に緊急理事会を開いて放送を決めた。(組合のシンポジウム妨害との指摘があるが、との記者の質問に対しては)関係ない。(中略)(24時間番組は)NHKとして当然の仕事だ」と説明している。(全部読む)
Mainichi INTERACTIVE 04/11/07
 

もしこれが本当なら、片づけや避難所暮らしで疲れているのに番組に出演して下さった被災地の方はいい面の皮というものです(NHK会長が被災地視察して、なんの役に立つのでしょうか?)。

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2004年11月 3日 (水)

山古志村の郵便局ATMこじ開けられる

2日午後3時15分ごろ、新潟県中越地震で全村民が避難している同県山古志村種苧原(たねすはら)の種苧原郵便局(星野清剛局長)の出入り口のガラスが割られ、現金自動受払機(ATM)の扉がバールのようなものでこじ開けられているのを、巡回中の警察官が見つけた。ATMには現金約100万円が入っていたが、被害はなかった。(全部読む)
Mainichi INTERACTIVE 04/11/03

とうとうやられちゃいました。
お金に被害がなくて何よりですが、これから道路が復旧してくるとますますこういうことする人が出てくるんでしょうか?
ATMを壊してお金を持っていくことが出来なかったとなると、犯人はこういうことになれてない(いわゆる窃盗団と言われる人ではない)人なのかもしれません・・・(;´Д`)
これ以上村の人を悲しませることがおきませんように・・・。

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2004年11月 1日 (月)

新札発行

今日から一万円、五千円、千円札の新札が流通開始となりました。
 
一万円は引き続いて福沢諭吉、五千円は初の女性の肖像で樋口一葉、千円は野口英世です。
裏面の絵殻も変更され、最新の偽造防止策が施されているそうです(詳しくはここ)。

残念ながら今日は手に取ることができませんでしたが、今週中には全国に行き渡るそうです。印刷がとてもきれいらしいので早く見てみたいですね。
お釣りを手渡しするときに間違えそうで、慣れるまでがちょっと大変そうですが(^_^;


今日は新札発行記念として、樋口一葉の半生を描くドラマを放送していました。
明治の初めの時代に女流作家になれた一葉はお金持ちのお嬢様のイメージがあったのですが、全然違っていました。
没落士族の家に生まれ、若くして父と兄を亡くして相続戸主となり、お金に苦労して家族を養うために小説を書き始め、小説家としてやっと有名になったところで結核にかかり24才の若さで亡くなったのです。
相続戸主同士の男女は結婚できないという旧民法の上の悲劇も、現在では考えられないことです。

ちなみにオットに
「『たけくらべ』って読んだことある?」と聞いたところ、
「おれにとっての『たけくらべ』は『ガラスの仮面』の劇中劇が全てだ」と言われました。
日本中にそんな人がたくさんいそうな気はしますw

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2004年10月31日 (日)

村民全員退避の山古志村に不信車両が

今夜のフジテレビEZ!TVの報道より。

村民全員が村外に退避している山古志村に外部から不審者がはいり込んでいるのだそうです。
仮復旧した県道を使って村に入り込み、無人の家に放置された出荷直前の米や、一匹何万円もする高価な錦鯉を持ち出そうとしているらしいのです。

番組では、全村避難の中ただ一人自分の意志で警備のために村に残った消防団の男性をレポートしていました。
この取材中も真夜中にもかかわらず地元以外のナンバー(この時は多摩ナンバー)を付けた不審車両が村に入りこみ、消防団員の男性の乗った警備の車に気付くと大急ぎでUターンして戻って行く様子が放送されていました。
震災の2〜3日後は一晩に6〜7台の不審車両が村にやって来たのだそうです。

この番組放送後からは、他の村民・消防団員も加わり警備に当たるとのことですが、被災者の方に追い打ちをかけるような、『火事場泥棒』は絶対にやめて欲しいと思います。

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2004年10月30日 (土)

新宿三越にジュンク堂書店とロフト、本日オープン!

本日10月30日(土)、新宿三越秋の第1弾リニューアルオープンということで早速行ってきました!

従来の百貨店形態から【都心型専門店集積店舗】にリニューアル。
器は三越でも中身は完全にテナントビルという感じでした。

まずはエレベーターで8階まで・・・。
7&8階はジュンク堂書店新宿店です。
品揃えが豊富で、通路には座り読みができるイスが置いてあることが売りのこの書店は、新宿地区に初出店なのです。商品の総数は90万冊だそうです!

背の高い書架に本がずらっと並び、まるで図書館のような配置になっていました(店内の様子はこちら)。
慣れないせいかどこに何があるのかがちょっと分かりにくかったです(入口で店員さんが配置図を配っていましたが)。まあ、これはこの配置に慣れれば気にならないことだとは思いますが。

さすがに品揃えが豊富で見ているだけでもかなり楽しいのですが、開店初日でお客さんがたくさんいて商品が探しにくかったです(^_^; 
今度は平日お休みの日の午前中からゆっくり見に行きたいと思います。

今日は新刊&探していた文庫本をあわせて7冊購入。
先着3000名様にプレゼントのブックカバーをいただいて、ジュンク堂を後にしてきました。

6階から4階はロフト新宿店です。
今日は時間が無くてロフトには寄れなかったのですが、広告にも『女性の日々の暮らしを彩るこだわりの雑貨専門店』と歌っている通り、陳列された商品を見ると若い女性をターゲットにしている感じでした。
ここも、そのうちゆっくりと見て回ろうと思います。

帰りはB1階から地下道へと向かったのですが、この階はリニューアル前は全部食品売り場だったのが、スタイリッシュパーツという、ファッション雑貨・アクセサリー・文房具やぬいぐるみなどを扱うお店がならぶ女性向けの売り場になっていました。
気になったのが、そのすぐ隣に食品売り場が数店残っていて、お総菜だの佃煮だのの香りが漂っていたことです(^_^;なんだか商品に食べ物のにおいが移ってしまいそうで心配でした・・・。

新宿にはこれで、紀伊国屋書店新宿本店新宿南店)、青山ブックセンター跡地のブックファースト(ルミネ1&2)、ジュンク堂書店新宿店と大型店舗がたくさんできました!

最近は捜し物はamazonとか>楽天ブックスなんかで買っていたのですが、たまには大きな本屋さんでじっくり中身を見て買うのもいいですねー。

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2004年10月29日 (金)

山古志村村民が一時帰宅

新潟県中越地震で村民全員に避難指示が出ている同県山古志村は29日、村民の一部の一時帰宅を始めた。県道の復旧工事で車が通行できるようになり、2時間程度滞在する。(中略)村の人口は2027人(9月1日現在)
((全部読む)アサヒ・コム 04/10/29)

あさぎが山古志村を知ったのは数年前のことです。
旧【ボリスの森】の掲示板に良くカキコして下さった方が山古志村在住の学生さんだったのです。

箱庭のような小さな村なのですが、棚田 と小さな池(錦鯉の養殖の発祥の地といわれています)がある、なんだか懐かしい感じの風景。まるで『まんがにほんむかしばなし』の背景のような可愛らしい村、というイメージがありました。

山古志村は、NHKの朝の連続ドラマ「こころ」のロケ地にもなったところ。
牛の角突き』という闘牛が国の重要無形民俗文化財に指定されており、テレビのニュースの各地のお祭り報道などでもよく取り上げられていましたね。
地震が無ければ次は11月3日に虫亀にて行われる予定でした。

芋川の水が土砂でせき止められて、地震でほとんど被害がなかった家屋が徐々に浸水している様子がこの2〜3日のニュースで放送されています。
避難所でこれを見ているだろう村の方の気持ちを考えると、胸がつまります。

下のリンクから村に関連するサイトを巡ってみると、震災前の美しい村の風景が見られました。
またこんな美しい風景が戻ってくることを、心から願ってやみません。


【関連リンク】
ぼりぼりとみっふぃーのほーむぺーじ VIVA!やまこし(旧ボリスの森時代に相互リンクして頂いていた山古志村在住(当時)のめぐさんのサイト。現在は残念ながら更新停止中です。)
やまこしねっと(現在アクセス不可のようです)
山古志村商工会ホームページ

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